今よみがえる幻の名作
半世紀以上の時を経て命が吹き込まれた稀代のデザイナー、ヘニング コッペルのシルバーの傑作. 1954年、伝説のデザイナー、ヘニング コッペル(Henning Koppel, 1918-1981)がジョージ ジェンセンのためにデザインした彫刻のような存在感を放つピース、「1041」。躍動感溢れる3つのフォルムからなるこの作品は、紛れもないコッペル特有の有機的なカーヴが際立ち、コンテンポラリーな造形を見事に体現したものです。当時を代表するデザイナーの一人であったコッペルはジュエリーからウォッチ、そしてライフスタイルのあらゆるものまで幅広く手がけることで知られ、類まれなる才能をいかんなく発揮しました。
困難なシルバー製品の制作の壁に幾度となく阻まれ、創意工夫を凝らし、限界まで挑戦しつづけて誕生した「1041」は、コッペルの代表作のひとつと言っても過言ではありません。
「1041」が初めて発表されたのは1954年、ジョージ ジェンセン創業50周年の記念展覧会でした。 しかし一切の妥協を許さない完全主義のコッペルはその仕上がりに満足できず、その作品を破棄しました。常に斬新な発想を持ち、シルバー作品におけるさらなる高みを目指すコッペルにとって、仕上がった作品は思い描いた理想にかなうものではありませんでした。
その後、「1041」は完成を見ず、ジョージ ジェンセンのアーカイヴの貴重な作品として保存され、世に出ることはありませんでした。
その未完の遺作がコッペル生誕100周年の今年、初めて発表されました。
機能性というより芸術性の高い「1041」は、コッペルの極めて高いラグジュアリー感漂う特徴的なデザインであり、希少かつコレクターピースとしても価値の高いシルバー製品の最高傑作です。