ヨーロッパに学ぶ、インテリアとしてのキッチンスタイリング術
ヨーロッパの住居空間では、キッチンは単に食事を準備する場所ではない。愛する人たちが集まり、美味しい食事と会話楽しみながら、つながりを深める、まさに住まいの中心的な空間だ。だからこそ、キッチンは見せることを意識したオープンなレイアウトで、ダイニングやリビングルームと調和する設計が主流になっている。キッチングッズも空間をスタイリッシュに彩る重要なアイテムだ。
今回の特集では、ドイツのプレミアム家電ブランド〈ミーレ〉の体験型ショップ〈ミーレ・エクスペリエンス・センター 表参道〉のキッチンショールームを舞台に、人気インテリアスタイリストの中田由美さんが、〈ジョージ ジェンセン〉のモダンなキッチングッズを用いてスタイリング。人生を豊かにする“インテリアとしてのヨーロッパ流キッチンスタイリング術”を中田さんに教えてもらった。
空間の洗練度を高めるキッチングッズ
「〈ジョージ ジェンセン〉の拠点であるデンマークをはじめ、ヨーロッパのいくつかの国では、冬の日照時間が短く、寒さの厳しい時期が長く続きます。家の中で過ごす時間が多くなるため、機能的で心地よく、何よりも自分らしく過ごせるインテリアを追求することが、暮らしの一部になっているように感じます」
自分らしい快適なインテリアに囲まれた空間で、家族や友人など大切な人と食事をしながら語らい、リラックスして過ごす時間に喜びを感じる。そんな“キッチンを通したコミュニケーション”を楽しむ習慣が、ヨーロッパのオープンなレイアウトに反映されている。
「キッチンとダイニングやリビングルームが一体化した空間を日本の住宅で演出したいときに、リビングに飾っている花瓶やデコレーションアイテムをそのままキッチンに持ち込むのは、使い勝手やスペースのことを考えると難しいですよね。そこで頼りになるのが、〈ジョージ ジェンセン〉のキッチングッズです」
普段のインテリアスタイリングのお仕事でも、〈ジョージ ジェンセン〉のキッチングッズをよく使っており、ファンだと語る中田さん。
「〈ジョージ ジェンセン〉のキッチングッズは、使い勝手の良さはもちろんのこと、“機能を持ったオブジェ”と表現したくなるような、洗練されたデザインが魅力。ミニマルなフォルムに、清々しくもスタイリッシュなステンレススティールの輝きは、どんなテイストのキッチンにもすっと溶け込んで合わせやすいのが魅力です。それでいてアイテム一つひとつに個性とパワーがあり、さりげなく配置するだけで、キッチン周りの洗練度を高めてくれます」
そんなモダンなキッチングッズは収納するのではなく、あえてインテリアの一部として見せながらレイアウトするのがヨーロッパ流だ。
「今回、シンクサイドに置いた『アルフレド』のナイフスタンドは、斜めに自立する絶妙のフォルムがモダンアートのよう。スタンドの中には黒いポリプロピレン製のファイバーが組み込まれており、約5本のキッチンナイフがすっきり安全にしまえる機能性も素晴らしいです。また、同じく『アルフレド』のキャニスターは、パスタやシリアル、ティーバッグなど、毎日使う食品の保存に最適。ボディはステンレススティールやガラス、蓋は塗装したマットなステンレススティールと、さまざまな素材が使われており、サイズが4種類も揃うので、何も考えず並べるだけで様になります。クールな輝きのステンレススティール、温かみのあるウッド、クリアなガラスなど、複数の素材をレイヤーすると、スペースに限りがあるキッチンでもぐっと表情豊かな空間が演出できますよ」
「自宅にゲストを招くのが日常なヨーロッパでは、ホストが料理をしながらゲストと会話を楽しむシーンが多いですね。そんなきっかけを生み出すコーナーを作ることは、特別なスペースがなくても可能だと思います。例えば、立ち飲みスタイルのミニバーコーナーをキッチンカウンターに作れば、集まった皆が、アペロを楽しみながらリラックスしたひとときを過ごせます。〈ジョージ ジェンセン〉には、コースターやワインオープナーなど、洗練された美しいデザインのバーアイテムが豊富に揃っているので、さりげなく置いておけば、会話の糸口にもなりますね」
置くだけでその場の空気感を変えてくれるような存在感のあるアイテムも、キッチンとダイニングをつなぐ空間作りに効果的なのだとか。中田さんおすすめのひとつは、「コッペル」のサービングボウルだという。
「アイキャッチーで存在感のあるサービングボウルは、印象的な空間作りはもちろん、季節感を反映した設えにもぴったりなので、おもてなしのときに重宝します。例えば、季節のフルーツを盛ってキッチンカウンターに置けば、ゲストが自由に手に取って楽しめるブッフェ風コーナーに。フードだけでなく、つる性の植物を飾ったり、剣山を入れて花を生けたりと、花器がわりに使うのも素敵です。クリスマスの時期には、ガラスボールのオーナメントをざっくり入れるだけで、華やかなデコレーションになりますね。キッチンだけでなく、家のさまざまな場所で用途を変えながら楽しめる万能アイテムです」
ちなみに、サービングボウルと一緒にスタイリングした「コッペル」のピッチャーは、中田さんが以前からお気に入りのアイテムだとか。〈ジョージ ジェンセン〉で長年活躍した伝説のデザイナーであり、彫刻家のヘニング・コッペルがデザインしたピッチャーは、ブランドを代表するアイコンのひとつ。
「洗練された有機的かつモダンなシルエットは、ニュアンスのある作家さんの器とも相性抜群。水差しやワインカラフェとして使うだけでなく、繊細な花をふんわり生けてもインテリアに映えますよ」
新作「コッペル」プレートを主役に
「『コッペル』のプレートは、一見ニュートラルですが存在感があり、日常に、おもてなしにとマルチに大活躍してくれそう。テーブルコーディネートのポイントは、メリハリをつけること。テーブルクロスなどのベースカラーは彩度を抑えた落ち着いた色でまとめ、プレートに描かれたブルーでアクセントを効かせました。また、リム付きプレートのエッジがシャープな印象だったので、曲線的な波状フォルムが美しい「コブラ」のカトラリーをミックスして、凛とした中にも柔らかなエッセンスをプラス。摘みたてのような装花のナチュラルな色合いも、印象的なブルーの筆使いを際立たせます。さらに、グラスや小さなピッチャー、花器など、高さが出るアイテムを配置することで、空間に立体感が生まれ、テーブルが華やぎます」
大切な人が集うキッチンの心強い相棒
スチームクッカー、コンビスチームオーブン¥407,000〜¥1,034,000/ミーレ *上段
グルメビルトインドロワー¥286,000/ミーレ *中段
オーブン¥484,000〜¥957,000/ミーレ *下段
最後に、お気に入りのキッチングッズは手にするだけで心がときめき、所作までも美しく変えてくれる存在だと語った中田さん。
「素敵なキッチングッズは日常のルーティンを楽しくしてくれるだけでなく、人と人をつなぎ、豊かなライフスタイルを生み出してくれます。ヨーロッパ流のキッチンスタイリングを参考に、自分らしいインテリアを育てながら、〈ジョージ ジェンセン〉でお気に入りのアイテムを見つけてくださいね」
Photographer(Interior):Shinichi Kawashima
Photographer(Portrait):Shuhei Shine
Text : Makiko Awata
ジョージ ジェンセン銀座本店
住所/東京都中央区銀座6-8-19 VORT銀座 B1-2F電話/03-6822-3135
営業/11:00~20:00
https://www.georgjensen.com/ja-jp
ミーレ・エクスペリエンス・センター 表参道
〈ミーレ〉の製品を見て触って体験し、実際に購入できる直営店。表参道店をはじめ、全国に6店舗展開している。住所/東京都港区南青山4-23-8
電話/03-6419-7553
営業/11:00〜18:00
休/水曜日
https://www.miele.co.jp
<中田由美さんがお勧めするジョージ ジェンセン>
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アルフレド (ALFREDO) キャニスター Lガラス, ステレススチール(グリーン)、ガラス¥ 12,650
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アルフレド (ALFREDO) キャニスター Mステンレススチール, ステンレススチール イエロー¥ 12,650
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アルフレド (ALFREDO) ナイフスタンドステンレススチール¥ 27,500
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コッペル (KOPPEL) サービングボウルステンレススチール¥ 27,500
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MASTERPIECES KOPPEL ピッチャーステンレススティール(ミラー仕上げ)バリエーションを見る¥ 41,800
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コッペル (KOPPEL) ランチプレートポーセリン¥ 6,380
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コッペル (KOPPEL) ディナープレートポーセリン¥ 7,480
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コブラ (COBRA) カトラリー ギフトボックス 4点セットステンレススチール¥ 14,300