PYRAMID(ピラミッド) ティーポット 600B

まるでピラミッドを逆さまにしたような形のコーヒーとティーセットは、非常に引き締まった印象を与えます。その特徴は、ボール、トライアングル、サークル、ストレートラインといった、幾何学的なスタイルがベースになっていることです。ラインはわずかにカーブがかかり、見た目が特徴的で、ジャグのハンドルの下にあるリーフがアーチのアクセントになっています。　　　　　　　　　　　　　　　　

ピラミッドのデザインは、デザイン、建築において世界的に確固たるスタイルを確立したアール・デコの流れを汲んでいます。アール・デコの特徴は、キューブ、トラアングル、サークルのような幾何学の基本的な形式を取り入れているところです。その着想は、ダダ、キュービスム、そしてシュールレアリズムのような様々な自由な芸術の動き、運動からきています。エジプトでほぼ完璧な状態で発見されたツタンカーメン王の墓のような壮大な出来事は、エジプトの家具やピラミッドからのモチーフによってアール・デコスタイルに影響を与えました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ハンドルは,硬質の木材であるエボニー材が使用され、それぞれひとつずつ丁寧に制作されています。ハンドルの取り付け部である小さなソケットはすべて手作業によるもので、それによりそれぞれにわずかな個体差が出るものの、いずれもハンドルが完璧にかみ合うように細心の注意が払われています。　　　　　　　　　　　　　

この作品の形は銀細工師にとって困難を極めました。シルバーは熱を当てた時に弾力性に富み、特にポットのトップをはんだ付けする時はトップのパーツに常に温度に気をつけなければなりません。それに狂いが生じると、完璧な形をなさないからです。